ラス・カメリアス農園|Las Camelias Estate

エルサルバドル、Chalatenango(チャラテナンゴ)県 La Palma(ラ・パルマ)の高地に位置する Las Camelias Estate(ラス・カメリアス農園)。

スペシャルティコーヒーの生産だけでなく、さまざまな品種の可能性を探求している農園として知られています。

この農園では、地域に根付いた伝統的な品種だけにとどまらず、エルサルバドルを代表する Pacamara をはじめ、Geisha や SL28 など、この土地では比較的珍しい品種の栽培にも取り組んでいます。

なかでも SL28 は、この農園の取り組みを象徴する品種のひとつ。

本来ケニアとの結びつきが非常に強い SL28 が、エルサルバドルの高地へと渡り、異なる土壌や気候の中で育つことで、典型的なケニアの SL28 とはまた違った表情を見せています。

エルサルバドルの高地で探る、希少品種の可能性

エルサルバドルの高地で探る、希少品種の可能性

今回のロットは、標高約 1,850〜1,980m の高地で栽培され、ナチュラルプロセスで仕上げられています。

完熟したコーヒーチェリーが持つ果実の甘さを引き出しながら、カップには赤い花を思わせる華やかさ、チェリーやトロピカルフルーツのような果実感が現れます。

繊細なフローラルの香りと明るい果実味が重なり合う、SL28 らしさとエルサルバドルのテロワールを同時に感じられるコーヒーです。

SL28|ケニアから生まれた名品種

SL28 は、スペシャルティコーヒーを代表する品種のひとつです。

1930年代、ケニアの Scott Agricultural Laboratories によって選抜され、1935年に「Tanganyika Drought Resistant」と呼ばれるグループの中から選ばれました。

World Coffee Research では Bourbon に関連する遺伝的背景を持つ品種として分類され、優れた耐乾性と、高地で非常に高いカップクオリティを発揮する可能性を持つことで知られています。

「SL」は Scott Laboratories、「28」は当時の選抜番号に由来します。

SL28 の大きな魅力は、適した環境で育ったときに現れる、非常に明確なフレーバーキャラクター。

ケニアのクラシックな SL28 では、ブラックカラントやベリー、グレープフルーツ、トマトを思わせる鮮やかな酸、そしてワインのような奥行きのある質感が感じられることがあります。

しかし、SL28 の個性はケニアだけのものではありません。

スペシャルティコーヒーの世界で品種への探求が進むにつれ、SL28 はラテンアメリカをはじめとするさまざまな生産地へと広がっています。

だからこそ、このエルサルバドル SL28 にはひとつの面白さがあります。

同じ SL28 がケニアを離れ、エルサルバドルの高地、土壌、気候の中で育ったとき、どのような味わいへと変化していくのか。

品種とテロワールの関係を、カップを通して体験できるコーヒーです。

HIU Project|コーヒーの可能性を探るマイクロプロジェクト

HIU Project も、このコーヒーを語るうえで欠かせない要素のひとつです。

このプロジェクトでは、「品種・産地・熟度・プロセス」といった細かな要素に目を向けながら、特別な品質の可能性を持つコーヒーを探求し、マイクロロットとして表現しています。

その取り組みと Las Camelias Estate のストーリーにおいて重要な人物のひとりが、Graciano Cruz。

彼は長年にわたり、希少品種やスペシャルティコーヒーの生産に取り組み、SL28 を含むさまざまな品種をエルサルバドルの栽培環境へと持ち込んできました。

HIU Project は、いわば「農園から新しい可能性を探す」ためのコーヒープロジェクト。

同じ産地でも、品種が変わればカップの表情は大きく変わります。

そして同じ品種であっても、テロワールやプロセスが変われば、まったく異なるフレーバーが生まれることがあります。

このコーヒーの面白さも、まさにそこにあります。

単なる「エルサルバドル産の SL28」ではなく、

ケニアを離れた SL28 が、中米エルサルバドルの高地でどのような個性を見せるのか。

その変化と可能性を、実際の一杯から感じてもらうためのロットです。